福原泰平『 ラカン――鏡像段階:現代思想の冒険者たちSelect』(2017/8/9更新)

 斎藤環『生き延びるためのラカン』の方が初学者向きだとは聞いていたが、「現代思想の冒険者たち」シリーズで最も評判の良いこの本から手をつけることにした。

 

「語ることは畢竟、目の前の個々人に向けられた行為ではなく、日本語なら日本語といった語りえぬ何ものかに捧げられたわれわれの究極的な行為である。(略)語りえぬものはわれわれの無為な生活の中に、どこにでも口を出し、口を開けて待っている。それはなんらかわりばえもしない、空虚で飽き飽きしたがらくた同然のわれわれの日常生活以上の何ものでもないからである」(4頁)

 

序文からいい感じ。キーワード解説に目を通してみたけど、今いち用語の整理が追いついていない。一読して理解が追いつかないようだったら斎藤環をはさんで読み直します。